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『マイナースポーツの心得』アスリートには“素材”がある

2024.04.11

Column

※こちらの記事は2024年4月に執筆した記事を加筆修正したものです


SNS を利用したスポーツのStorytellingや、アスリートのBrandingに関して、危機感をもって必要としているのは、日本でいうメジャースポーツの野球やサッカーではなく、それ以外のマイナースポーツであると言えると思います。


日本の場合、野球やサッカーなどのプロ選手は、自身のアスリートキャリアに対するStorytellingあるいはBrandingに対して「斜に構えている」印象がありますが、マイナースポーツを行うアスリートにとって、それは「アスリートキャリアの一部」であり、アスリートである自分を"守る"術であると言って良い。自分が競技で出した成績が、誰の目にも触れずに情報の川に流れていってしまうのは、自身の競技成績に対する裏切りであると言っていいと思います。


プロスポーツはON COURTだけでは決して完結しないゲームです。小説が誰かに読まれて初めて完成するように、スポーツも誰かに見られて初めて完成します。

マイナースポーツの心得

これまで全く目もくれなかったのに、ソーシャルメディアでそれを目にしてから(少なくとも)興味が湧いた、という経験はスポーツに限らず現代社会に生きる私たちが日々経験していることだと思います。


それぞれのスポーツには、ひとつ残らず、「必ず」、その競技にしかない「画力」のようなものがある。インパクトやダイナミズムと言い換えてもいいです。あるいは(画的な)「かっこよさ」や「美しさ」とも言えるでしょう。余計なことは考えずに、スポーツは、あらゆるクリエティブ表現を使ってここを武器にするべきです。


全スポーツには、すでにその「画力」が備わっています。アスリートには価値があります。というと少し前向きすぎるのでこう言い換えましょう。アスリートには「素材」があります。あとはその素材をどう料理するかによって、天と地の差があるということだと思います。


ビジュアル的なかっこよさだけでは、スポーツやアスリート本来の魅力は伝わりません。そこにはバランスよく「説明」あるいは「解説」が組み込まれていなければならない。しかし、わかりやすく、スマートに。これこそが"ファンサービス"。


ゲームの奥深さも、スポーツを伝えるにおいて「すでにそこにある」ものの一つですから、それを使わない手はありません。日本だと、マイナースポーツのアスリートが、自分の土俵ではない場所に出て(マスメディアのバラエティ番組など)知名度をあげようと躍起になっている様子を見かけますが、それが⻑期的・広範囲的な成功を生んだ例はほぼないように思います。


メジャースポーツ、マイナースポーツに限らず、「スポーツが本来持っている魅力や美しさ」を伝えていくことこそ、私たちが心得なければならないことなのではないでしょうか。